カプセル内視鏡 | ごとう内科・消化器内科 - 東淀川区東淡路にある内科・消化器内科・内視鏡内科・肝臓内科
カプセル内視鏡とはカプセル型の内視鏡を、水分と一緒に飲んでいただき消化管を通過しながら、腸管の内部の写真を撮影していく検査です。特に小腸・大腸を調べる最新の検査で、施行できる施設は大阪でも多くはありません。これまでの、肛門から細長い管状のスコープを挿入する大腸内視鏡検査は、個人差もありますが、「怖い」「痛い」「苦しい」、また特に女性では、「恥ずかしい」といったイメージがあり、検査を敬遠されている方が多かったのも事実です。「大腸用」カプセル内視鏡検査は、カプセルの薬のように、口から水と一緒に飲み込むだけです。カプセルは、直径約11mm、長さ約31mmで、両端2個の小型カメラ、LED光源、バッテリーを装備し、毎秒最高35枚のスピードで大腸の腸管内を撮影し、記録装置に転送された画像を医師が読影し、診断を行います。もちろん、麻酔も必要なく、また放射線被ばくもありません。精神的・身体的に負担の少ない検査といえます。苦痛の少ないカプセル内視鏡検査ですが、下剤の内服は、必要です。これまでの大腸内視鏡検査と同様の前処置(下剤服用)と、さらにカプセルの排出を促進するため、追加下剤を服用しなければなりません。また、ポリープ切除などの治療や、組織を採取すること(生検)はできません。大腸カプセル内視鏡検査は、大腸内視鏡検査を実施したにも関わらず不完全だった場合などに保険適応があります。①最近、大腸内視鏡検査を受けた方は、検査を受けた医療機関と検査日をお伝え下さい。その際に、痛みなどのため全大腸を観察できていなければカプセル内視鏡を受けることができます。②腹部手術歴がある、大腸が非常に長いなど、通常の内視鏡の挿入が困難な病態があると判断されれば大腸カプセル内視鏡検査を受けることができます。③上記、いずれも当てはまらない方は、自由(自費)診療で大腸カプセル内視鏡検査を受けていただくか、通常の大腸内視鏡検査を受けていただくことになります。カプセル大腸内視鏡の検査費用は、自費の方で12万円程度、保険適応(3割負担)の方で3万円程度、1割負担の方では1万円程度です(他初診・再診料、薬剤処方の有無などで変動があります)。
カプセルの薬のように口から水と一緒に飲み込むだけで、腸管内を毎秒2コマで撮影(約8時間の作動時間中に約55,000~60,000枚の静止画像を撮影)し画像転送(腰に装着するデータレコーダに)され、保存したデータを外部パソコン(解析ソフト)により医師が診断する検査法です。従来のスコープを用いた内視鏡検査に比べ、患者さんの苦痛がきわめて少ない利点があります。日本では2007年10月に「原因不明の消化管出血を伴う小腸疾患患者」に対し保険収載がされ「小腸用」カプセル内視鏡が使用できるようになりました。2012年7月よりPillCam®パテンシーカプセルを使用した開通性評価技術が国内保険適用となり、適応が全小腸疾患に拡大しました。これにより、小腸カプセル内視鏡検査において禁忌疾患であったクローン病患者様をはじめ小腸疾患の疑いのある患者様に対して、安全かつ低侵襲な方法で小腸の画像診断検査が可能になりました。
注意:消化管(小腸)の狭窄又は狭小化を有する、あるいは疑われる患者様に対しては、PillCam®パテンシーカプセルを使ってカプセル内視鏡を使用する前に消化管の開通性評価を実施します。消化管開通性評価では、カプセル内視鏡と同一サイズ(長さ約26mm、直径約11mm)の飲み込み可能な崩壊性(溶ける)のパテンシーカプセルを使用します。パテンシーカプセルは、口から飲み込むと、胃や腸の中を前進し、狭窄がなければ、便とともに自然排出されます。開通性判定で「開通性あり」と判定された場合は、PillCam®SB3カプセルを使用してカプセル内視鏡検査が可能になります。
小腸カプセル内視鏡検査の費用は、自己負担3割の患者さんですと2万8000円程度です(他初診・再診料、薬剤処方の有無などで変動があります)。