胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症
胆嚢ポリープ・胆嚢腺筋腫症とは
胆嚢ポリープは、胆嚢の内側(粘膜)の表面から内腔に向かって突出した「隆起性病変(しこり)」の総称です。胆嚢腺筋腫症は、胆嚢壁そのものが厚くなり、筋層や粘膜が増生した状態を指す良性疾患です。
胆嚢ポリープの種類
胆嚢ポリープは大きく「非腫瘍性」と「腫瘍性」に分けられます。
非腫瘍性ポリープ
- コレステロールポリープ(最も頻度が高く、全体の約90%前後を占めると報告)
- 炎症性ポリープ
- 過形成性ポリープ など
腫瘍性ポリープ
- 腺腫
- 胆嚢癌(ポリープ状に見えるものを含む)
健診の腹部超音波検査でみつかる胆嚢ポリープは比較的よくある所見で、頻度は数%~1桁台後半と報告され、中年層(40〜50歳代)に多く、男女差は大きくないとされています。
経過観察が推奨されるポリープと精査・治療が望ましいポリープ
胆嚢ポリープの多く(約90%以上)はコレステロールポリープで良性とされ、特に以下のような場合は定期的な腹部超音波検査での経過観察が一般的です。
- 大きさが10mm未満
- 数が多発し、細い茎のある「有茎性」
- 経時的にサイズの増大が乏しい
一方で、次のような特徴がある場合には、腺腫や胆嚢癌などの腫瘍性病変の可能性を考慮し、より詳しい精査や腹腔鏡下胆嚢摘出術が検討されます。
- 大きさが10mm以上
- 根元が広い「広基性ポリープ」
- 内部エコーが低エコーで、周囲と質感が異なる
- 短期間で明らかな増大傾向を示す
胆嚢腺筋腫症について
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢壁の筋層や粘膜が限局的またはびまん性に肥厚する疾患で、画像上は胆嚢壁の肥厚や小さな嚢状構造(ロキタンスキー-アショフ洞)として認められます。
予後はおおむね良好で、無症状の場合は定期的な超音波検査などによる経過観察が基本です。
ただし、一部の症例では胆嚢癌との鑑別が難しい場合や、実際に癌を合併することも報告されており、半年〜1年ごとの画像フォローが推奨されることがあります。
まとめ
胆嚢ポリープ・胆嚢腺筋腫症はいずれも健診でよくみつかる良性病変ですが、ポリープのサイズ・形・増大傾向、胆嚢壁の所見などによって「経過観察でよいもの」と「手術を検討すべきもの」の判断が分かれます。
そのため、腹部超音波検査で指摘された場合には、定期フォローの間隔や必要な追加検査について、主治医と相談しながら方針を決めていくことが重要です。
胆嚢ポリープの腹部超音波画像

右:大きめの(7~8mm)胆嚢ポリープ(赤〇)