胃・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状
最初は主に空腹時や夜間にみぞおち(心窩部)の鈍い重苦しい痛みが出ることが多いです。
胃潰瘍では、食後や食事と無関係に痛みが出ることもあります。
痛みの場所は多くが心窩部ですが、右季肋部に痛みを感じる場合もあります。
出血時にみられる症状
- コーヒー色の吐物(コーヒー様残渣)を吐く
- イカ墨のような真っ黒の便(黒色便・タール便)が出る
- 出血量が多いと、立ちくらみやふらつき、冷や汗などが出現する
このような症状がある場合は、消化管出血の可能性が高く緊急受診が必要です。
主な原因(ピロリ菌とNSAIDs)
- ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs;痛み止めとしてよく用いられる薬)
我が国では、潰瘍患者の多くがピロリ菌に感染しているとされ、
ピロリ菌を除菌することで潰瘍の再発が劇的に抑制できることが明らかになっています。
治療(薬物療法と内視鏡止血)
近年は薬物療法の進歩により、多くの胃潰瘍・十二指腸潰瘍は
- プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの制酸剤
- ピロリ菌の除菌療法(該当する場合)
潰瘍から出血している場合も、ほとんどは内視鏡を用いた止血処置でコントロールが可能です。
手術や血管塞栓術が必要となる場合
現在では、良性の胃潰瘍・十二指腸潰瘍で手術が必要となるケースはまれです。
しかし、次のような場合には、より侵襲的な治療が検討されます。
- 潰瘍が深く進行し穿孔(胃や腸に穴があくこと)を起こした場合
- 内視鏡で止血が困難な大量出血の場合
- 緊急の血管造影下での止血術(動脈塞栓術)
- あるいは外科的手術が必要となることがあります

右:十二指腸潰瘍(球部前壁)の内視鏡像